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網状皮斑はなぜ「網」になるのか――皮膚に浮かぶ血管地図の読み方

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機序――古典的な動脈円錐モデルでは、網状皮斑は動脈供給の乏しい円錐辺縁が、血流低下によって青紫に強調された像と説明される。網は皮膚の血管構築を映した、いわば血管地図である。
分類――一過性か持続性か、網が閉じているか途切れているか、圧迫で退色するかしないかを分けると、機能的な血流変化、局所的な灌流障害、紫斑・壊死の違いを整理しやすい。
理解――この見取り図は時間的な進行段階でも、疾患との一対一対応でもない。臨床背景をあわせて評価し、必要な場合に疑う病態に適した部位・深さの皮膚生検を検討する。
[2][3][4][6][12]


はじめに

冬の外来や病棟で、患者さんの下腿に網目状の色調変化を見つけることがあります。寒冷に伴う生理的な変化として説明できることがある一方で、同じ網目が全身性疾患や血管障害の手がかりになる場合もあります。私たちは、何を手がかりに両者を分けているのでしょうか。

形態分類を覚えることは一つの答えです。しかし、そもそもなぜ「網」になるのかを考えると、分類と疾患の対応は暗記ではなく機序の理解に変わります。

本稿では、網が生じる古典的な説明モデルから出発し、形態分類の見取り図、代表的疾患、そしてこの見方の限界を順に確認します。鑑別の手順書ではなく、形態と病態の間をつなぐ一つの見方を示すことが目的です。


なぜ網になるのか

「リベド」と「網状皮斑」

皮膚に生じる赤紫色から暗赤色の網状斑は、総称してリベド(livedo)と呼ばれます[3]。国内のガイドラインでは「網状皮斑」がリベドの意味で使われる一方[2]、国内教科書は総称に「リベド」を用いています[3]。さらに英語圏でもlivedo reticularisが広い意味で使われる場合があり、文献ごとに用語の射程を確かめる必要があります[4][5]。

本稿では総称に「リベド」を用い、形態を区別するときはlivedo reticularis、livedo racemosaのように英語表記を使います。タイトルの「網状皮斑」は広義の意味です。

動脈円錐モデル

Sajjanらの総説は、リベドの網状パターンを生理学的に説明する古典的な仮説として、Renault(1883)、Unna(1896)、Spalteholz(1927)の動脈円錐モデルを紹介しています[4]。このモデルでは、皮膚血管系を直径1〜3 cmの円錐状の単位が連なったものとして捉えます。各円錐の頂点側には深部から上行する細動脈があり、辺縁では動脈床の密度が低く、表在静脈叢が優位になると想定されています[4]。

このモデルを前提にすると、網が生じる理由を説明できます。円錐の辺縁は隣り合う円錐との境界にあたり、どの上行細動脈からも最も遠い領域です。血流が低下すると、動脈供給の乏しいこの辺縁では脱酸素化ヘモグロビンの割合が増え、青紫色が強調されます[4]。その結果、辺縁は青紫の線として、頂点側は相対的に淡い中心として見えるという説明です。皮膚の血管構築が色調差として現れるという意味で、網は――いわば血管地図――と捉えられます。

ただし、これは実際の皮膚を規則正しい円錐が敷き詰めると確定した解剖図ではなく、古典的な説明モデルです。先天性血管拡張性大理石様皮斑(cutis marmorata telangiectatica congenita: CMTC)や特発性livedo reticularisなど、病因をこのモデルだけでは説明できない病態もあります[4]。

国内の血管炎・血管障害診療ガイドライン2016年改訂版は、皮疹から血管炎の主病変レベルを推定する枠組みのなかで、リベドを次のように位置づけています[2]。

リベドは皮下脂肪織小動脈分岐部付近の血流障害・血管障害を意味し、その末梢血管がうっ滞し”マスクメロン状”、”網目”になる。特に、網目の網が閉じていないlivedo racemosaは、より血管炎を意識する皮膚症状である。[2]

膨疹や触知性紫斑が真皮レベルの血管を反映するのに対し、リベドはより深い小動脈レベルの血流障害を示唆する、という整理です。円錐モデルに重ねれば、深部の供給血管で生じた変化が、表面では辺縁の網として見えると理解できます。

図1: 動脈円錐モデルと網の対応。A: 皮膚断面の模式図。深部の上行細動脈を頂点側とし、動脈供給が乏しく表在静脈叢が優位な辺縁へ向かって仮想的な円錐を描いた。緑の破線は、網の淡い中心部から真皮-皮下境界に達する生検の深さの一例を示す[4][7]。B: 皮膚表面から見た模式図。青紫の線は円錐辺縁、赤点は淡い中心の直下に想定される上行細動脈を示す。Sajjanらが紹介する古典的モデルに基づく概念図であり、実際の血管構築を規則正しい六角形として示すものではない[4]。

この機序を足場にすると、同じ「網」のなかにある形態差を、血流変化の違いとして読みやすくなります。


網状皮斑の見取り図

リベドの区分は文献によって異なります。国内教科書は大理石様皮膚(cutis marmorata)、分枝状皮斑(livedo racemosa)、CMTCを挙げ[3]、Sajjanらはlivedo reticularisを4型に分けたうえでlivedo racemosaを区別しています[4]。retiform purpuraは、網状の血管性皮疹のスペクトラムのなかの特異的な形態として別に扱われます[6]。

表1は、これらの記述を「持続性」「網の連続性」「圧退色」の三つの属性で束ねた、本稿独自の見取り図です。網の連続性は、環が閉じた規則的な網か、環が閉じない不規則な網かで分けます。三つの属性の違いが見えやすい順に並べていますが、左から右へ時間的に進行することを示す表ではありません。

形態属性 大理石様皮膚 livedo reticularis livedo racemosa retiform purpura
持続性 一過性。寒冷で出現し、加温で消失 大理石様皮膚を除けば、反復または持続 通常は持続し、加温のみでは消えにくい 固定性。壊死・潰瘍を伴いうる
網の連続性 環が閉じた規則的な網 環が閉じた規則的な網 環が閉じない不規則・樹枝状の網 網の形(網状・弧状・分枝状)を保った紫斑
圧退色 退色する 退色する 退色する(紫斑・壊死の併存部は退色しない) 退色しない
機序の手がかり 寒冷による細動脈攣縮と静脈うっ滞 持続・反復する血流の偏り 局所的な内腔閉塞、過粘稠、遷延する攣縮、血管壁障害 血管外への血液漏出を伴う虚血性障害。血管壁障害または内腔閉塞
代表的な背景・疾患 生理的反応 一次性、特発性、アマンタジン、内分泌疾患、心不全など APS、Sneddon症候群、PAN、コレステロール結晶塞栓症、リベド様血管症 カルシフィラキシスなど

表1: 網状皮斑の見取り図[2][3][4][6][8][9][11][12][13]。APS: 抗リン脂質抗体症候群、PAN: 結節性多発動脈炎。各列の形態と疾患は一対一に対応しない。livedo racemosaの持続性はSajjanらの記述(pathologic and permanent)による[4]。livedo racemosaには遷延する攣縮や過粘稠による例も含まれ[4]、同一疾患でも退色するリベドと退色しない紫斑・壊死のどちらも報告される[9]。CMTCは先天性・持続性で、圧迫により退色する一方、加温では消失しない毛細血管奇形である[10]。

この表を横にたどると、同じ「網」に一過性の色調変化から紫斑・壊死までの異なる形態が含まれることが分かります。一方、各列を縦に見ると、それぞれの形態について、持続性、網の連続性、圧退色がどのような機序や背景疾患と組み合わさるかをまとめて確認できます。

閉じた網と途切れた網の差には、「広く一様に血流が低下するか、局所的に供給血管が障害されるか」という説明モデルがあります。Hartigらは、減圧症関連皮疹の検討において、広範な血流低下は環の閉じた規則的な網を、細動脈閉塞による局所的な灌流低下は不規則に途切れた網を作ると整理しています[12]。ただし、これは潜水医学の文脈を含む病態モデルであり、すべてのリベドで実証された一般則ではありません。過粘稠や遷延する攣縮でもlivedo racemosaが生じうるためです[4]。

用語の揺れ

Kraemerらは、1907年にEhrmannが病的なlivedo racemosaと生理的なlivedo reticularisを区別したことを紹介したうえで、次のように述べています[5]。

Despite important clinical differences, in the English language literature the heading livedo reticularis is still used for all types of livedo.[5]

英語圏では、cutis marmorata、livedo reticularis、livedo racemosaが互換的に使われることも指摘されており[12]、文献を読むときは各論文の定義を確認する必要があります。Sneddon症候群(Sneddon syndrome)の53例を検討したStarmansらの論文でも、診断の定義には「permanent livedo reticularis」という表記が用いられています[7]。

英語表記 本稿での表記 本稿での意味
livedo リベド 網状の紫紅色斑の総称。タイトルの「網状皮斑」はこの意味
livedo reticularis livedo reticularis 閉じた規則的な網。文献によっては総称
livedo racemosa livedo racemosa(分枝状皮斑) 閉じない不規則・樹枝状の網
cutis marmorata 大理石様皮膚 生理的・一過性の閉じた網
cutis marmorata telangiectatica congenita 先天性血管拡張性大理石様皮斑 先天性・持続性・加温不応の網状紅斑
retiform purpura retiform purpura 退色しない網状・弧状・分枝状の紫斑

表2: 国内外の用語対応[2][3][4][5][6][10][13]。retiform purpuraは国内で定着した訳語を確認できなかったため、本稿では英語表記のまま用いる。

病名にも揺れがあります。リベド様血管症(livedoid vasculopathy)は、かつてリベド血管炎、リベド血管症などとも呼ばれましたが[3]、皮膚血管炎・血管障害診療ガイドライン2023は、2016年改訂版で病名を「リベド様血管症」に統一したと記載しています[1]。本稿でもこの表記に従います。


分類ごとの機序と代表疾患

ここからは、見取り図の各列を機序と代表疾患に結びつけます。個々の症例では形態と病態が一致しないこともあるため、形態だけで診断を決めるための分類ではありません。最後に、同じ疾患群でも機序によって皮疹が異なる例として、クリオグロブリン血症を取り上げます。

大理石様皮膚

大理石様皮膚は、寒冷で増強し、加温で消失する一過性の閉じた網です[3][4]。円錐モデルでは、寒冷による細動脈攣縮が広く生じ、辺縁の静脈うっ滞が規則的な網として現れた状態と説明されます。攣縮が解ければ色調も消退します。

CMTCは形が似ていますが、先天性・持続性で加温では消失せず、国際血管腫・血管奇形学会(International Society for the Study of Vascular Anomalies: ISSVA)の分類で毛細血管奇形に位置づけられています[10]。大理石様皮膚とは、まず持続性の違いで区別されます。

livedo reticularis

livedo reticularisは環が閉じた規則的なリベドで、一過性から持続性まで含む用語です。Sajjanらは、生理的(大理石様皮膚)、一次性、特発性、アマンタジン誘発性の4型に分けています[4]。表1では大理石様皮膚を別列に置いたため、この列は反復・持続する一次性、特発性、薬剤性、二次性を中心に示しています。二次性のリベドとしては、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、心不全、シュウ酸沈着症、リンパ腫などが挙げられています[4]。

薬剤性の代表はアマンタジンです。シンメトレル錠の電子添文では、網状皮斑は「その他の副作用」の0.1〜5%未満の区分に記載されています(発現頻度は使用成績調査を含む)[11]。

閉じた網は、広く比較的一様な血流の偏りとして理解しやすい形態です。ただし、網が閉じていることだけから機能的変化と断定することはできません。

livedo racemosa

livedo racemosaは、環が閉じない不規則・樹枝状の網が持続する形態です。四肢だけでなく体幹や臀部にも及ぶことがあり、血管腔の閉塞、過粘稠、遷延する攣縮、血管壁障害など複数の機序で生じます[3][4]。

円錐モデルでは、供給血管が局所的・不均一に障害され、影響を受ける領域と保たれる領域が混在するため、網が途切れると説明できます[12]。ただし、この対応も目安であり、途切れた網が常に器質的閉塞を意味するわけではありません。

代表的な背景を、機序との対応で確認します。

  • 抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome: APS): 血栓傾向による内腔側の障害。国内ガイドラインは、網状皮斑や皮膚潰瘍を認める場合、他臓器の血栓症がなくてもAPSの有無について積極的に検査するべきであるとする[2]。
  • Sneddon症候群: 持続性リベドと脳血管障害を中核とする病態。リベドは偶然の所見でもありうるため、臨床像、画像所見、必要に応じた皮膚生検を組み合わせて評価する[7]。
  • 結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa: PAN): 真皮下層から皮下脂肪織の筋層を有する小動脈を中心とする壊死性血管炎。皮膚症状は浸潤を触れる紅斑や結節(皮下結節)、リベド症状が多く、ときに皮膚潰瘍を認める[1]。
  • コレステロール結晶塞栓症(cholesterol crystal embolism): 塞栓による内腔閉塞。国内教科書ではblue toe syndromeとともにリベドを生じる状態として挙げられる[3]。
  • リベド様血管症: 下腿のリベド、紫斑、潰瘍から、萎縮性で白色調の星状瘢痕(atrophie blanche)を残しうる血栓性血管症。早期病変では真皮血管内の血栓がみられ、壊死性血管炎や白血球破砕性血管炎を欠くことが診断上重視される[1][8]。

血管壁障害と内腔閉塞は、病態理解に有用な対比です。ただし、閉塞性病変でも炎症細胞浸潤が観察されることがあり、炎症細胞の存在だけで一次性血管炎とは判断できません[8]。対比は理解の足場であり、病理を単純な二者択一にするものではありません。

retiform purpura

Georgesenらは、retiform purpuraを次のように定義しています[6]。

Retiform purpura is a specific morphology within the spectrum of reticulate eruptions of vascular origin. It develops when blood vessels serving the skin are compromised resulting in downstream cutaneous ischemia, purpura, and necrosis.[6]

網状の血管性皮疹のスペクトラムのなかの特異的な形態であり、皮膚を栄養する血管が障害された結果、下流の皮膚に虚血、紫斑、壊死が生じたものである、という定義です。Moritaらは、この網状・弧状の配列が皮膚の血管構築を反映しており、真皮から皮下の血管が完全に閉塞する前に生じる虚血に伴う出血に由来すると述べています。血管炎だけでなく、APS、カルシフィラキシス、コレステロール結晶塞栓症などの血管炎を伴わない閉塞性の病態でも生じます[13]。

この形態をリベドから分ける要点は、圧退色です。血管内の色調変化を主体とするリベドは圧迫で退色する一方[9]、血管外へ漏出した血液による紫斑は硝子圧法(diascopy)で退色しません[3]。退色しない網状紫斑は、単なる血流の偏りではなく、虚血性障害や血管壁障害を考える手がかりです。

代表例の一つがカルシフィラキシス(calciphylaxis)です。皮膚・皮下の微小循環で中膜石灰化、内皮細胞増殖、内膜下線維増生により内腔が狭窄し、血栓形成と閉塞を経て虚血性病変が生じます[8]。臨床的には強い痛みを伴う紫斑性・紅斑性の結節や局面から、網状の壊死性潰瘍へ進行しうる病態です[8]。

クリオグロブリン血症

最後に、クリオグロブリン血症(cryoglobulinemia)という疾患群のなかで、機序の違いが異なる皮疹につながる例を確認します。

StatPearlsの解説では、I型は単クローン性免疫グロブリンに関連し、過粘稠や血栓性閉塞を背景に虚血、リベド、皮膚壊死を呈します[9]。II型・III型の混合型では、免疫複合体性血管炎に関連する触知性紫斑が代表的です[9]。同じ疾患群でも、内腔側の障害と血管壁側の障害のどちらが前景に立つかで、皮膚形態が異なると理解できます。


この見方で説明しきれないこと

この見取り図には、少なくとも三つの限界があります。

第一に、閉じた網でも器質的疾患が背景にある場合があります。特発性livedo reticularisがAPSやSneddon症候群に先行する可能性や、リベド様血管症で閉じた網のリベドがみられることも報告されています[4][8]。反対に、遷延する細動脈攣縮や過粘稠でもlivedo racemosaが生じえます[4]。「閉じた網だから機能的」「途切れた網だから器質的」と形だけで読み切ることはできません。

第二に、血管壁障害と内腔閉塞は単純な二者択一ではありません。閉塞性病変でも炎症細胞浸潤が観察される場合があり、病理所見は病変の時期や採取部位にも左右されます[8]。

第三に、皮膚生検の必要性、部位、深さは一律ではありません。原因不明で全身疾患が疑われるリベドでは、Sajjanらは淡い中心部と辺縁の青色部から複数の深い生検を検討しています[4]。Sneddon症候群の検討では、淡い中心部から真皮-皮下境界に達する複数の生検が診断を支える方法として用いられました[7]。Moritaらも、livedo racemosaでは環状の中心部から深い検体を採る理由を、チアノーゼ状の辺縁の責任血管である狭窄血管がそこに位置するためと説明しています[13]。一方、紫斑、結節、潰瘍を伴う病態では、疑う疾患に応じて適切な病変と深さを選ぶ必要があります[4][8]。

したがって、持続する網、閉じない不規則な網、退色しない網は、形態だけで結論づけず、まず臨床背景とあわせて評価します。皮膚生検は、疑う病態、得られる情報、手技のリスクを踏まえて検討する位置づけです。


おわりに

古典的な動脈円錐モデルは、網状皮斑がなぜ「網」になるのかを理解する有用な足場です。このモデルでは、網の青紫の線を動脈供給の乏しい円錐辺縁、淡い中心を上行細動脈の頂点側として捉えます。網を皮膚に浮かぶ血管地図として読む、という見方です。

そのうえで、持続性、網の連続性、圧退色をみると、機能的な血流変化、局所的な灌流障害、紫斑・壊死の違いを整理しやすくなります。ただし、これは時間的な進行段階でも、疾患との一対一対応でもありません。地図は地形そのものではなく、形態から得られるのは、どこで何が起きているかを考える手がかりです。

網状皮斑は、形を名前として覚えるだけでなく、皮膚に現れた循環の手がかりとして読み直せる所見なのかもしれません。

ここまでお読みいただきありがとうございます。この記事が皆様の今後のお役に立てれば幸いです。それでは。


余白ノート

用語を調べるなかで、livedo reticularisとlivedo racemosaの区別が1世紀以上前に提案されていた一方、現在も文献によって用語の範囲が異なることが印象に残りました[4][5]。

用語の揺れを無理に一つへ直すというより、「この論文ではreticularisを総称に使っているのか、閉じた網に限っているのか」と定義を確かめる方が実践的です。名称の違いを越えて形態と機序を読むことが、古い文献と新しい文献をつなぐ助けになるのではないでしょうか。


参考文献

  1. 皮膚血管炎・血管障害診療ガイドライン策定委員会(川上民裕、有村義宏、池田高治、石黒直子ほか). 皮膚血管炎・血管障害診療ガイドライン2023―IgA血管炎、クリオグロブリン血症性血管炎、結節性多発動脈炎、リベド様血管症の治療の手引き2023―. 日本皮膚科学会雑誌. 2023;133(9):2079-2134. DOI: 10.14924/dermatol.133.2079. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/hifukekkannenn2023.pdf
  2. 日本皮膚科学血管炎・血管障害診療ガイドライン改訂版作成委員会(古川福実、池田高治、石黒直子ほか). 血管炎・血管障害診療ガイドライン2016年改訂版. 日本皮膚科学会雑誌. 2017;127(3):299-415. DOI: 10.14924/dermatol.127.299. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/vasculitisGL.pdf
  3. 清水宏. あたらしい皮膚科学 第3版. 中山書店, 2018. 第4章「発疹学」および第11章「血管炎・紫斑・その他の脈管疾患」. 北海道大学皮膚科ウェブ公開版. https://www.derm-hokudai.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/4-01.pdf / https://www.derm-hokudai.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/11-32.pdf
  4. Sajjan VV, Lunge S, Swamy MB, Pandit AM. Livedo reticularis: A review of the literature. Indian Dermatol Online J. 2015;6(5):315-321. DOI: 10.4103/2229-5178.164493. PMID: 26500860. PMCID: PMC4594389
  5. Kraemer M, Linden D, Berlit P. The spectrum of differential diagnosis in neurological patients with livedo reticularis and livedo racemosa. A literature review. J Neurol. 2005;252(10):1155-1166. DOI: 10.1007/s00415-005-0967-9. PMID: 16133722
  6. Georgesen C, Fox LP, Harp J. Retiform purpura: A diagnostic approach. J Am Acad Dermatol. 2020;82(4):783-796. DOI: 10.1016/j.jaad.2019.07.112. PMID: 31479689
  7. Starmans NLP, van Dijk MR, Kappelle LJ, Frijns CJM. Sneddon syndrome: a comprehensive clinical review of 53 patients. J Neurol. 2021;268(7):2450-2457. DOI: 10.1007/s00415-021-10407-x. PMID: 33515066. PMCID: PMC8217002
  8. Lacerda PN, Garcia LC, Mazeto IFDS, Miot HA, Abbade LPF. Livedoid vasculopathy, calciphylaxis, and Martorell’s hypertensive ulcer: update on ischemic ulcers due to impaired microcirculation of the lower limbs. An Bras Dermatol. 2025;100(2):215-227. DOI: 10.1016/j.abd.2024.09.004. PMID: 39848831. PMCID: PMC11963012
  9. Killeen RB, Awais M, Mikes BA. Cryoglobulinemia. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2026 Jan-. Last Update: 2025 Mar 28. NBK557606. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK557606/
  10. Bui TNPT, Corap A, Bygum A. Cutis marmorata telangiectatica congenita: a literature review. Orphanet J Rare Dis. 2019;14(1):283. DOI: 10.1186/s13023-019-1229-8. PMID: 31801575. PMCID: PMC6894123
  11. サンファーマ株式会社. シンメトレル錠50mg/シンメトレル錠100mg 電子添文(2025年7月改訂 第3版). 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/480866_1161001F1050_1_01
  12. Hartig F, Reider N, Sojer M, Hammer A, Ploner T, Muth CM, Tilg H, Köhler A. Livedo racemosa – The pathophysiology of decompression-associated cutis marmorata and right/left shunt. Front Physiol. 2020;11:994. DOI: 10.3389/fphys.2020.00994. PMID: 33013436. PMCID: PMC7497564
  13. Morita TCAB, Trés GFS, Criado RFJ, Sotto MN, Criado PR. Update on vasculitis: an overview and dermatological clues for clinical and histopathological diagnosis – part I. An Bras Dermatol. 2020;95(3):355-371. DOI: 10.1016/j.abd.2020.01.003. PMID: 32307202. PMCID: PMC7253914
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